オンラインレッスンについて

イデア・ミュージック・アカデミーでは、新型コロナウィルス感染拡大防止に伴い、オンラインレッスンに順次切り替えております。

形態は各教室の講師、及び生徒さん達と話し合いながら、SkypeやZoom等を使用しております。

これまで消毒の徹底、レッスン時の換気やマスク着用など細心の注意を払ってまいりましたが、やはり移動などによるリスクを鑑み、生徒さん達のご希望に沿って、オンラインレッスンを実施しております。

しかしこれまで音色に強くこだわり、また教室の楽器や調律も出来る限り最高の状態をキープしてきた当アカデミーにとって、教室に来ればスタインウェイが弾ける、グランドピアノが弾けることを楽しみにしていた生徒さん達には、少し残念なレッスン形態となってしまいます。

また、やはり生徒さん達と直接顔を合わせ、ちょっとした表情や声色の変化などで逐一細かい反応を見ながらのレッスンはオンラインでは難しく、何よりも同じ空間を共有することでお互い感じ取れる空気感なども、カメラ越しだと容易ではありません。

しかし、オンラインレッスンのメリットが全く無いかと言うと、そうでもなさそうです。
上記の理由によりこれまでは想像もしておらず、また今回のコロナウィルスの影響で、多くの教室がオンラインレッスンを始める中、なかなか踏み出せなかったのですが、やはり全くレッスンが無くなるよりも良いかと思われます。

子供達にとって、まず何よりも大切なものの一つは習慣だと思います。
これは一日を規則正しく過ごすと言う意味での習慣だけではなく、少し長期の習慣と言う意味でも良いことだと考えます。一週間に一回ピアノのレッスンがあるという生活のリズムが崩れると、やはり毎日の習慣にも影響すると思われます。

これはもっと長期で考えると、ピアノに限って言えば、何月に発表会やコンサート、コンクール等の本番があるから、今はどのようなことをするべきかと逆算したり、物事に対する目標を持って今やるべきことを考える大切な習慣にも役立つと思います。

もちろんピアノのレッスンだけでなく他の習い事、そして特に学校から学べる大切なことが、今子供たちから奪われている事が何よりもの問題かと考えます。

勉強もピアノの練習も一人で出来ます。逆に一人で出来なければならない事だと思います。

しかし毎日友達に会って話すとか遊ぶとかはもちろんの事、決められた時間を守る、授業中はきちんと座る、周りの友達たちに迷惑をかけない等々、言わば社会化の側面が大いに削られている事が大きな問題だと思います。

学校や塾なども早々にオンラインでの授業をスタートさせているようですが、ピアノのレッスンも含め、質や内容のメリット・デメリットを考慮しながらも、やはり何か定期的に行われることで、子供達の習慣が少しでも崩れずにキープできるのは良いかと考えます。

後は、本来普段のレッスンでも気を付けなければならない事なのですが、オンラインレッスンですと殆どの生徒さんがスマートフォンやタブレットを使用するので、画面が小さいからか、幾分集中力が増すような気も致します。と共に、普段挨拶が苦手な子、きちんと返事が出来ない子、目を見て話しを聞けない子等が、画面越しですと何故かきちんとしてくれる発見もありました。

まだまだお互い慣れていないオンラインレッスンですが、新たなメリットの発見、そして何よりも普通の生活、普段のレッスンが当たり前になっていた事を、特に講師がその当たり前をもう一度見直し、音楽が出来る事、生徒さん達と一緒に素晴らしい経験をさせてもらってきたことを感謝する良い機会にしなければならないと思います。

戦争を経験していない世代が多い現代、天災による大きな災害や個人的に降りかかってくる不幸などを除くと、日本のみならず世界的に未曾有の不自由な生活と先行きが不安な日々を過ごさなければならない状況になっています。

しかしこのような時にこそ、物事を簡単に諦めず、知恵を出し合いながらこの困難な状況を乗り越えていければと思います。

弊害も多いかと思っていた昨今のスマートフォンやタブレットの普及ですが、今回のように自粛に伴い生徒さん達と引き離されるより、画面越しではあるものの、元気な姿を見れることは大変な励みになります。

特殊な作品を除き、この世に解決しない楽曲が無いように、解決しない問題もないと信じて、そして綺麗事になるでしょうが、今しか出来ない事を探しながらこの苦境を乗り越えたいものです。

イデア・ミュージック・アカデミー